現代に蘇った鎌倉武士。鎌倉武士の鎌倉さんが描く将来の鎌倉とは。

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今回のサシモニのお相手は鎌倉さん。鎌倉武士の出で立ちで鎌倉市内のイベント等ではよくお見かけする方なのですが、本名が鎌倉さんなんですよ。一体普段はどのような仕事をしているのか謎な方です。武士の格好をするようになった経緯から、普段の仕事まで。未知のベールに包まれた鎌倉さんの実態を知ることができました!世の中に武士の格好をしている人なんて、なかなかいませんよね。ぜひその理由をサシモニ読んで知ってみてはいかがでしょうか。

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鎌倉さんってなんの仕事をしてるの

-普段から武士の格好をしている鎌倉さんなのですが、一体なんの仕事をされているのでしょうか。

イベント等に呼ばれたり、武士の格好のレンタルを仕事としています。他にもフリーの保育士として仕事を請けていますよ。保育士の仕事は正社員でもパートでもなく、2つ~3つの保育園に応援でいくような仕事をしています。

-フリーで保育士の仕事なんて世の中あるんですね。面白い働き方ですね。

いくつかの保育園を回って、「人手が足りなければ呼んでください。」と営業活動をして回りました。どこの保育園も人手が足りない現状があります。誰もフリーで働こうとは思わないかもしれませんが、関東近辺であれば誰でも出来るのではないでしょうか。

-なるほど。世の中にもっとフリーの保育士さんが増えても良いですよね。ところで、どうしてそのような働き方を選んだのでしょうか。

正社員として働きながら武士の格好でイベントに出て、甲冑を作るのは大変なんです。10年以上やってきた保育の仕事だから、携わっていたい気持ちもあります。それでフリーの保育士の道を選びました。

-いきなり甲冑という普段使わない言葉が出てきました(笑)一体どうして甲冑作りをはじめたんでしょうかね。

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甲冑との出逢い

-僕は人生で一度も甲冑を作ろうと思ったことがないのですが、なぜ鎌倉さんは甲冑を作るようになったのでしょうか。

甲冑には元々興味がありませんでした。山梨県に川中島合戦戦国絵巻というお祭りがあるのですが、20代前半のときに参加する機会があったんです。元々10代の頃から考古学の勉強や文献の研究等をしていたくらい歴史は好きだったので参加したんです。それがキッカケですね。

-川中島合戦戦国絵巻って初めて聞いたのですが、一体どのようなお祭りなんですか。

1,000人規模のお祭りで武田軍と上杉軍に分かれて川中島の戦いを再現します。甲冑のレンタルもできますよ。武田軍と上杉軍に分かれた両軍が同じ時間に出陣して、とある道で野次合戦をしながら、川を挟んで歩いて広場に合流します。槍とか刀を持って人に向けずに刺したり、ぶん回したりするんです。

-なんですか、そのお祭は。今まで聞いたことなかったですが、武士の格好をして参加してみたら楽しそうですね。

最近は歴女ブームもあってか6~7割の参加者が女性です。海外の旅行客も参加していますよ。最低10人集まると自分の隊を組めるのですが、歴史仲間がいたので2年目から自分の隊を持つことができました。

-自分の隊を持つですか。なんか凄い世界観ですね。

初めてのときは鎌倉から山梨まで原付で行って、他の方の隊に入れてもらったんです。でも、やるなら自分の隊が良いなと思ったんです。多いときには80人の隊になりましたね。

-80人の仲間を集めるのは凄いですね。それだけの人達を引き連れて練り歩いたら気持ち良さそうですね。

僕は一昨年引退しましたけどね。さすがに大変なので。80人になると年に1回会うだけじゃなくて、軍議という名の飲み会も主催していました。年に5~6回の軍議をやると長野や東北から人が集まるんです。まぁ、軍議では歴史話ばかりじゃなくて、わりと普通に飲み会をしていましたが(笑)

-飲み会が軍議ですか。流石です!

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甲冑を作る

-今は甲冑を作っているそうですが、それは仕事としてもやっているのでしょうか。

甲冑の着付けレンタルをビジネスにしています。甲冑は一昨年から作り出しました。鎌倉時代の甲冑を今の職人が作るには2年間くらいかかります。金額だと4~5千万円もします。今の時代に使える部材等がほとんどないからですね。素材に拘らずレプリカでも4~500万円はかかります。

-甲冑だけで家が1軒建つレベルですね。とんでもないな。それだけ古い技術や素材の希少価値が高くなってしまったということなのでしょうが。鎌倉さんが作っているのはどういったものなのでしょうか。

2領、3領と作っていくと安くできるコツも分かってきて、今はトータルで10万円くらいの金額で出来るようになりましたよ。

-おぉ。それは大きなコストダウンですね。甲冑作りで大変なことってどんなことがあるのでしょうか。

最初は1領具足を作るのに3ヶ月間かかりました。苦労するのは穴を開ける工程ですね。何万という穴をパンチで空けていくのが大変です。手にマメが出来ちゃいます。甲冑マメですね(笑)

-甲冑マメとは、、、これまた初めて聞く言葉です。面白いなぁ。多くの人に武士の格好を広める活動もしているんですよね。

古民家とタイアップして鎌倉時代の甲冑を体験できるイベントや、甲冑製作教室を開催しています。1回1,000円の参加料で5~6回で完成しますよ。別途材料費が2万円くらいですね。

-自分で甲冑を作れちゃうのか。それは凄いなぁ。結構やってみたいと思う人も多そうですね。でも、そういったことを仕事にするというのも、また思い切りましたね。

奥さんが「甲冑職人になりなよ。」と言ってくれたんです。それが大きかったですね。自分のやりたい世界に突き進める原動力にもなりました。

-わぉ。なんて素敵な奥さんなんだ。パートナーのやりたいことを、そうやって推し進めてあげられる関係って素敵ですよね。

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鎌倉ガイド

-イベントで武士の格好で出演したり、甲冑のレンタル等を仕事とされていることも分かったのですが、どうしてこのようなことを始めようと思ったのでしょうか。

2011年に鎌倉をガイドするようになりました。鎌倉のキャッチコピーとして「武家の古都鎌倉へようこそ」とありますが、現存している武家の家はないんですよね。

-確かに言われてみたらそうだ。武家の古都と言っていても、武家とか武士らしさを感じる場所って史跡や神社、切り通し等は残っているけど、ほとんどないかもしれません。

なので、自分が武士の格好をすることで武家の町らしさを実践している自負はあります。1つの地域社会への貢献ですね。

-侍の姿をしているのは間違いなく武家らしいです。もう鎌倉の武士といえば、鎌倉さんくらいの浸透具合ですもんね。

鎌倉の人が外からの人を受け入れるためにも鎌倉をトコトン極めないといけないと思います。だから甲冑にもこだわって鎌倉時代の甲冑を作っています。当初はそういった違いも分からず、重鎮の人達から怒られたこともありましたが。
-なるほど。鎌倉さんの着ている甲冑は鎌倉時代の甲冑がモチーフとなっているわけですね。正直僕にはどの時代の甲冑がどうだという特徴はサッパリ分かりませんが、そのこだわりが違いを生み出すんですよね。

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現代の鎌倉幕府

-現代に訪れた武士として活動している鎌倉さんですが、今後はどういったことをやっていきたいのでしょうか。

いざ鎌倉プロジェクトをやっています。地域振興が目的ですがボランティアじゃなくてビジネスにします。目標が2つあります。1つは武者行列のギネス記録を作ること。もう1つは鎌倉幕府をもう一度作ることです。

-なんだかよく分からない目標が出てきました。一体どういうことなのでしょうか。

鎌倉の世界遺産登録は反対でした。実態が伴っていないからです。武家はありませんからね。でも、武家の発祥は鎌倉です。だから、武者行列を鎌倉でやって武家らしさを作っていけば良いと考えています。。

-確かに発祥の地が鎌倉であることに違いはないですから、武家の文化をフューチャーするイベントは良いですね。

私も参加していた山梨県の川中島合戦戦国絵巻には1500人が参加します。鎌倉幕府が生まれた1192年に合わせたいのですが、1192人ではギネス記録を越えられないんですね。

-なるほど。確かに語呂合わせ的にも1192が絡むと良いですね。

なので、今は1192隊が目標です。鎌倉時代は1隊50人が下限の人数です。1192隊×50人で約6万人の武者行列になります。鎌倉を中心に走っている7本の鎌倉街道を6万人の武者行列が歩いてくる姿を思い描くと興奮しますね。

-6万人が武士の格好をして歩いてくるってことですか!!それ実現できたら世界的にもヤバイイベントとして認知されそうですね。ぜひぜひやってもらいたいです。あともう1つが鎌倉幕府でしたっけ。
日光江戸村の小規模な鎌倉版のイメージですね。池袋のナンジャタウンや横浜のカレーミュージアムみたいなテーマパークみたいなもので、武士がいる鎌倉時代が感じられる施設になればなと思います。

-確かに鎌倉ってお寺や神社はたくさんありますが、思いっきり鎌倉時代を感じられるような施設ってないので良いかもしれませんね。鎌倉さんがどこまで鎌倉を鎌倉らしくしてしまうのか。今後が楽しみですね!

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僕はこう思った

鎌倉で武士の格好をしている人が「鎌倉さん」という名前だと知ったときは、芸名的な何かだとしか思えなかった鎌倉さん。最近よく街でも見かけます。武士の格好で。それにしても、ここまで貫き通すってのがホント凄いなと思います。鎌倉に対する想いも相当強いのは分かるのですが、あの格好をどんなシチュエーションでも自然と着こなしている感じがヤバイです。一緒にサシモニしていたときも、周りの人から「写真撮ってください」みたいな声かけ凄かったからですね。でも、きっとこうやって思いを貫く人が、多くの人が無理だと思うようなこともいつか実現させちゃうんですよね。6万人の武者行列。現代に蘇る鎌倉幕府。どちらも夢とロマンに包まれていて、できたら最高じゃないですか。僕はこんなバカみたいな大人の人が大好きだし、応援していきたいと思います。バカだと思われても、やりたいことがあるってホント素敵なことですよね。

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